2026年1月28日、中村先生はフォークシンガーの小林啓子、ギタリストのティム・ドナヒュー氏と共に、松岡正剛の思想に基づくコンサートを開催した。
松岡正剛は編集者、評論家、作家であった。著書『日本文化の核心』では「侘び寂び」や「間」といった日本的観念を探求している。
中村先生は虚無僧尺八演奏により、音と沈黙を対等な存在として表現し、聴衆に「間」の音響的解釈を提示した。
松岡氏は異分野の哲学的主題を型破りな方法で結びつけることで知られていた。この稀に見る尺八・声・ギターの楽器編成もまた、松岡氏の哲学を音楽的に肖像化した。
小林氏の声は演奏に人間味を加え、ドナヒュー氏のギターは西洋的な響きをもたらし、音は東洋と西洋の音世界の間を滑るように移動した。

尺八、声、ギターの三つの対照的な音が調和して衝突する様は、松岡氏の思想を音で表現したものだった。松岡氏の哲学を宿した新たな音という媒体によって、松岡氏を発見し体験する新たな道が開かれたのである。
『日本人の呼吸術』
『「密息」で身体が変わる』
『倍音――音・言葉・身体の文化誌』