『踊る。遠野物語』における尺八と音楽の構造

皆様こんにちは!

サウンドポットのジュリアです。

今日の投稿は『踊る。遠野物語』の尺八につしてエッセイです!

ぜひ、ご覧ください。

1.はじめに

『踊る。遠野物語』は、柳田國男の遠野物語が内包する民俗的想像力を、舞踊と音楽によって再構成した舞台作品である。本作において特筆すべきは、音楽、とりわけ尺八が、情緒的効果や説明的役割に留まらず、物語の生成原理そのものとして機能している点である。

遠野物語は、物語の筋よりも「語られる場」「語りの間」「語り手と聞き手の距離」によって成立する文学である。その特性を舞台上で成立させるために、本作は音楽を“語りの代替物”として配置するのではなく、語りが生まれる以前の気配を扱う装置として用いている。

2.尺八という楽器の選択がもつ必然性

尺八は、日本の伝統楽器の中でも、音高・音量・音色が常に不安定であり、演奏者の呼吸状態や身体の微細な変化をそのまま音響として露呈させる楽器である。本作において尺八が選ばれたことは、単なる民俗的象徴ではなく、遠野物語がもつ「不確かさ」「揺らぎ」「半分見えて半分見えない世界」を音響化するための必然であったといえる。

特に注目すべきは、尺八の音が、旋律よりも先に息の存在を観客に意識させる点である。音は常に呼吸と不可分であり、そのため、舞台空間には「誰かがそこにいる」「何かが息づいている」という感覚が、言葉を介さずに立ち上がる。これは、遠野物語に頻出する、人と異界との境界が曖昧な感覚と深く共鳴している。



3.音色と微細音量(micro-dynamics)の設計

本作における尺八の音色は、明瞭さや均質性を志向するものではなく、むしろ音の輪郭が揺らぎ、消え際に影が残るような質感が意図的に選ばれていた。
弱音域における表現密度が高く、音量が小さいにもかかわらず、情報量は多い。この微細音量の設計によって、観客は無意識のうちに耳を澄ませ、身体を静止させ、舞台に同調していく。

重要なのは、音が感情を煽る方向に使われていない点である。恐怖や哀しみを直接的に表現するのではなく、感情が立ち上がる直前の不安定な状態を保ち続けることで、観客自身の内部に反応を生成させる。この構造は、遠野物語がもつ「断定しない語り」「説明しない怖さ」と一致している。



4.間(ま)と沈黙の音楽

本作の音楽的達成の核心は、音が鳴っていない時間、すなわち沈黙の扱いにある。沈黙は単なる空白ではなく、直前に鳴った尺八の気配が残留することで、張力をもった時間として成立していた。

この沈黙は、観客に次の展開を予測させるための待機時間ではない。むしろ、「何も起こらないかもしれない」という不確実性を孕んだ時間として存在し、遠野物語における異界の出現と同質の緊張を生む。
音楽が沈黙を設計することで、舞台空間そのものが“語りの場”へと変質していた。



5.舞踊との関係性──音が時間を決め、身体が応答する

本作では、音楽が舞踊に追随する構造は採られていない。拍やリズムに身体を合わせるのではなく、音が提示する時間の質に対して、身体が応答する関係が成立している。

身体が停止する瞬間、視線だけが動く瞬間、呼吸が切り替わる瞬間に挿入される尺八の一音は、動きの意味を決定づける。ここでは、音楽が運動を装飾するのではなく、運動が音楽によって生成される。
この関係性は、舞台を「出来事の連続」ではなく、「時間の層」として観客に体験させる。



6.循環する時間構造と物語性

西洋的な劇伴音楽に見られる、明確な主題提示やクライマックスへの直線的展開は、本作では意図的に回避されている。代わりに用いられるのは、反復・回帰・微細な変形である。

同じ気配が形を変えながら立ち現れ、完全には解消されずに消えていく。この循環構造は、遠野物語が「語り継がれることで形を変え、土地に沈殿していく話」であることを、音楽的に翻訳したものである。
観客は物語を「理解する」のではなく、いつの間にかその循環の内部に置かれていることに気づく。

7.総括

『踊る。遠野物語』における尺八は、旋律や技巧を聴かせるための楽器ではなく、土地の記憶と異界の気配を呼吸として立ち上げる媒介であった。
音と沈黙、微細な音量変化、循環する時間構造によって、観客は視覚中心の鑑賞から解放され、聴覚と身体感覚を総動員して舞台に関わることを求められる。

本作は、尺八という伝統音響を、象徴や装飾としてではなく、現代舞台の構造そのものとして再定義した試みであり、遠野物語の本質――生活と異界が地続きである感覚――を、言葉に依存せず、身体に刻み込むことに成功している。

写真提供:Hajime Watanabe

チコちゃんに叱られて!本日出演!

皆様こんにちは!

 

サウンドポットスタッフのまちだです

 

今日の投稿は中村明一テレビ出演のお知らせをさせていただきます✨

 

NHK「チコちゃんにられて」

本日の放送に出演いたします!

 

https://www.nhk.jp/p/chicochan/ts/R12Z9955V3/episode/te/XZ6J1974WQ/

 

↑こちらは番組ホームページ

 

 

どんな内容、どんな収録をしたか

お話したいところですが

今日の放送まではナイショです

 

本日19:57から放送です!

ぜひぜひご覧くださいませ✨

 

 

まちだ

🎵ご案内🎵

 

皆様こんにちは!

オフィス・サウンド・ポット、スタッフのまちだです🎵

今日は朝から雨☔すっかり涼しくなっていますね🍁

 

今日のサウンドポットは、レッスン生徒さんが入れ代わり立ち代わり✨

雨にもかかわらず、皆さん明るい空気を持ってきてくださいます✨

 

 

さて、本日は演奏会と、公開講座のご案内です!

【常福寺ライブーbeー
倍音しめやかに流れ】

11月2日18:30より相模原市常福寺にて開催されます🎵

今回はリュートの高木一郎さん、打楽器の蔡怜雄さんとの共演です!

リュートと打楽器、そして尺八の組み合わせはなんと初めて!

どんなサウンドが生まれるのか、皆様と体感できたらと思います✨ご来場いただけます方は、チラシ掲載のお問い合わせ先へご予約くださいませ✨

 

【朝日カルチャーセンター
「日本音楽の構造」出版記念講座】

11月23日(土)13:00~16:00

今年3月に出版いたしました、中村明一著「日本音楽の構造」。

こちらを記念して、公開講座を開催していただくこととなりました!

書籍の内容をたっぷりおはなしいたします😎✨

お申し込みはこちらから👇👇

https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7267425

 

 

以上、ふたつのご案内でした✨

皆さま奮ってご参加くださいませ🎵

 

 

明日は晴れますように⛅

まちだ

対談会後日談!

こんにちは!

梅雨明けも近づき夏本番も迫ってまいりましたが、
皆様いかがお過ごしでしょうか🌞

私は暑いのが大の苦手ですので、休みの日は常にエアコンが効いた部屋でぬくぬくと過ごしております。笑

 

はっ、申し遅れました!

私、先日からスタッフとしてお手伝いさせて頂いてる「とつか」と申します。

以後お見知りおきを~!

 

先日行われた刊行記念対談では、多くの方々にお越し頂く事ができました。

お暑い中、本当にありがとうございました!! 😆 ✨

松岡正剛先生は体調が悪かったためいらっしゃることができず、事務所ではあたふたしておりましたが…

なんとか無事にやり遂げることができました💦

ふぅ~…😅

次こそは、松岡先生と中村先生が対談されているのを期待したいですね!
使用させていただいたイシス編集学校さんでは、沢山の本が並んでおり、ファンタジーを彷彿とさせる場所でとても素敵でした…😍

 

 

さて、今回は対談会で使用した周波数分析器を紹介したいと思います!

ででんっ✨

う、うまくとめられない…

おりゃっ!

素晴らしい~!👏🌟

これ、止めるの意外と難しいんですよ……!

 

こちらは「Voxengo SPAN」という、周波数をグラフで表示させる周波数分析器です。

音として出力されたデータ(周波数)が視覚的に見えるという超画期的なものなんです!

すごーい!!✨✨

対談会ではこちらの分析器を使って、声の周波数などを皆様と一緒に見ていきましたね✨

先生が発声された音を止めた時の画像がこちら👇

う、美しい……😿

基音から倍音が足されていくのがよく分かりますね😿

この足されていく倍音の中にあるのが「整数次倍音」と「非整数次倍音」です。

対談会の中では、人々がこれらの倍音を無意識のコミュニケーションとして使っているというお話をしていただきました。

私たちも普段意識していないだけで、これらの倍音を使い分けているのですね。
本当に奥深いです…。

自分の声の周波数も簡単に見ることができるので、               興味ある方はぜひダウンロードしてみてください!               👉https://www.voxengo.com/product/span/

 

あっ!!!中村明一先生の
「日本音楽の構造」も忘れずにッ!😎                     👉https://amzn.asia/d/0bY454zw

ではまた~(@^^)/~~~

 

サウンドポットスタッフ
戸塚

日本人の呼吸術【密息】DVD💿販売中

こんにちは!

 

今日は雨がいっぱい降っていますね☔

 

私は走っていたら水たまりにダイブしてしまい

ついてない感じですが、

気を取り直して参ります!!!

 

本日のブログは

現在、BABジャパンから発売されている

日本人の呼吸術【密息】のDVD

についてです💿

 

 

以前書籍で発売した

「日本人の呼吸術」ですが、

「密息」に焦点を当て

さらに濃く、わかりやすく

密息が体験できるよう、

映像になって発売しておりま!!

 

ぜひお買い求めいただき、

「密息」を体験してみてください✨

 

ご購入はこちらから👇

https://www.hiden-shop.jp/SHOP/nkm1d.html

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

サウンドポットスタッフ

🎵まちだ🎵

 

お久しぶりです😊

皆様こんにちは!

 

こちらのBlogしばらく投稿していませんでしたが、

再開いたします✨

 

 

沢山お知らせしたいことを蓄えていますが、

 

本日は、3月25日に発売の「日本音楽の構造」

https://artespublishing.com/

 

こちらの書籍の刊行を記念して、

 

編集工学者であります松岡正剛さんとの

対談が決定いたしました❕

 

 

中村明一×松岡正剛
「日本音楽の根源的価値と指し示す未来を語る」

日時:2024年7月5日(金)19:30−21:30(19:00受付開始)
出演:中村明一(尺八奏者・著者)
松岡正剛(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長)
参加費:会場参加=5000円(税込み5500円)/オンライン参加=4000円(税込み4400円)
会場:リアル参加:編集工学研究所ブックサロンスペース「本楼」(世田谷区赤堤)
オンライン参加:ZOOMウェビナー(お申し込みの方にZOOMアクセスキーをお送りします)
※リアル参加もしくはオンライン参加のどちらかをご選択ください。
定員:会場参加(30人限定)/オンライン参加(無制限)
参加資格:どなたでもご参加いただけます
参加特典:お申し込み者限定のアーカイブ動画あり(試聴期間:1週間程度)
申込締切日:2024年7月4日(木)13時
チケット購入:こちらのイシス編集学校イベントページからお申込みください
お問合せ:アルテスパブリッシング info@artespublishing.com
編集工学研究所 front_es@el.co.jp
主催:アルテスパブリッシング、編集工学研究所

※アルテスパブリッシングホームページより引用(★~★)

 

詳細、お申込みについては

アルテスパブリッシングさんのホームページより

ご確認ください👀

【7月5日@「本楼」で開催!(配信あり)】松岡正剛×中村明一対談が実現!『日本音楽の構造』刊行記念

 

会場にご案内できますのは30名と

限られた人数になってしましますが、

オンラインでもご参加いただけますので、

ぜひご覧ください✨

 

以上、近日中のイベントのご紹介でした✨

 

 

サウンドポットスタッフ

🎵まちだ🎵